サッカー。日本のメディアと海外メディアの温度差がえらい違うね。勝てた試合を落としたって選手のコメント出てたけど、そうかな〜？そうは見えなかったけどな〜。そもそもシュートは打たない、打っても枠にいかないじゃ勝てないよ。素人目で観ても、内容も日本が負けてたと思うけどな〜。日々ワールドカップを観て、にわか評論家と化したね。さて、今夜の注目は、エクアドルvsドイツ、スウェーデンvsイングランド。この結果次第でトーナメントの組み合わせが面白くなるね。今夜も徹夜だ。　S

　上海で外資系高級ベーカリーの競争が激しくなってきた。長く市場をリードしてきた台湾系をシンガポール系、韓国系が急追するという三つ巴の構図。市民の食生活が急速に洋風化し、おいしいパンやケーキに対する需要が高まってきたことが背景にある。今のところ日本勢は目立った浸透を見せていないが、日本のパンのおいしさは中国の消費者には必ず受け入れられると私は思うので、ぜひ日系のベーカリーにも、もう一歩の奮闘を期待したい。1980年代後半頃まで、中国のパンの味の悪さは形容し難いほどのものがあった。パサパサ、カチカチで味気なく、ある時ホテルで朝食にパンをかじっていたら、隣にいた見ず知らずの香港人に「お前は日本人か。よくそんなものが飲み込めるな」とからかわれたのを覚えている。

おいしいパンは日本発台湾経由で
80年代末頃からポツポツと日本や台湾の技術に学んだ自家製のパン店が登場し、徐々にレベルが向上し始めた。とはいえ本格的なパンが食べられるようになったのは1994年、現在も上海で一大勢力を誇る台湾系ベーカリーチェーン「マルコポーロ」が登場してからである。「マルコ」は辞書の編纂などで知られる台湾の出版社「東華書局」傘下、「文化的パン屋」を標榜する変わり種である。もともと、味のいいパンとコーヒーを出すカフェを併設した書店チェーンを展開しようというコンセプトから生まれたという。進出が早かったこともあって、上海ではベーカリーと言えば「マルコ」と誰でも思いつくほどに浸透し、圧倒的に市場をリードしてきた。味や製法は完全に日本風。もともと台湾のパンが日本の影響下で成長したのに加え、定期的に日本人技術者が指導に上海を訪れているという。なのでとても馴染みやすい味や食感である。食パンのほかメロンパンやあんパンなど商品構成も日本に似ている。

　価格は食パン1斤が6.5元(1元は約14円)、菓子パン類が3元程度からで、進出当時は高いという印象が強かったが、より上の層を狙った競合の登場で、現在ではベーカリーの中ではボリュームゾーンで勝負する感じになっている。一方、「マルコ」の独壇場が続いてきた高級ベーカリー市場で、2003年、大々的に市場に参入したのがシンガポールに本社を置くベーカリーチェーン「BreadTalk(ブレッド・トーク)」だ。同社はシンガポールで二十数店舗を展開するナンバーワンのベーカリーチェーンである。ここの最大の特徴は店頭にある。

　「BreadTalk」の最大の特徴は、チェーン店でありながら大半のパンを店舗内で焼いていること。これは上海の市民にとってはたいへん新鮮だった。店舗はすべてガラス張りが基調で、パン焼きの作業場の中が見通せるようになっている。売り場にはいい香りが漂い、パンが焼き上がると「焼き立てですよー」という店員の声が響く。夕方、お腹が減っている時に店の前を通りかかると、確かに思わず手が伸びてしまう。価格帯は食パンが一斤8元〜、私の好きなメロンパンが4元、ケーキ類は8〜15元ぐらいである。先行する「マルコ」より2〜3割高めの設定だ。出店も路面店ではなく、外資系のショッピングモールや大型スーパーの店内が中心である。清潔で高級なイメージが人気で、フランチャイズ方式で急激に店舗数を伸ばしている。上海以外も含めた店舗数は既にシンガポール本体を超えたという。

　この2社を追って参入したのが韓国資本のベーカリー「PARIS BAGUETTE(パリ・バゲット)」である。同社は韓国で最初に上場したベーカリーチェーン。店名からも分かるようにフランス風の高級感を売り物にしており、当地の消費者は漠然とフランスの会社だと思っている人が多い。

シンガポール系優勢。日本勢にも勝ち目あり！

　同社は高級住宅街やオフィス街の路面店を中心に展開、おしゃれなカフェを併設し、店内の商品もその場で食べられるようになっている。アッパークラスのキャリアウーマンやビジネスマンの昼食需要なども意識していることが見て取れる。価格帯は「Bread」とほぼ同じだが、「PARIS」の方が高価格帯の商品構成が厚い。またサンドイッチに力を入れており、ハムやタマゴ、生野菜などを挟んだサンドイッチ類(15元ぐらい)がおいしい。当然ながらバゲット(フランスパン)も売り物にしており、入り口脇の目立つ位置に縦長のフランスパンが並んでいる。この3社の中では最も高級路線を志向していると言っていい。勝手な感覚だが、現状では最も勢いのあるのが「BreadTalk」だろう。やはり現場で焼いているという臨場感は強い。立地もよく、いつ見ても人が入っている。「マルコ」は高級イメージが薄れつつあり、今後はミドルクラスの消費者を軸に中価格帯で生き残る戦略と見られる。「PARIS」は高級感は充分だが、逆に上品すぎて店の活気とか入りやすさでは「Bread」に及ばない。若いおしゃれな女性をどこまで取り込めるかがカギだろう。

　さて日系はというと、いくつか出店している店はあるようだが、現在のところ目立つ動きにはなっていない。素人考えかもしれないが、先に書いたように日本のパンは中国人の嗜好に合うし、労務管理の観点から見てもベーカリーは飲食店よりも品質やサービスの安定性、継続性を実現しやすいと思われるので、日系企業向きだと思う。華々しい活躍がないのは極めて残念だ。上海をはじめとして中国大都市の食生活の洋風化はまだまだ緒についたばかりだ。今からでも全然遅くはないと思う。ぜひ進出を検討されてはいかが?